[グッド・ヴァイブレーション~渡辺香津美のドガタナ・ワールド]
<今田勝を迎えて>民放FM,1983年7月23日
僕が今田さんの音楽を聞いたのは、
香津美さん繋がりでしたから。
○アンダルシアの風
○モーニング・ダンス
今田勝
○ラインナップ
レニー・トリスダード
○タルカス
EL&P
○マトリックス
チック・コリア
○オー・イヤー
ヤン・ハマー
○タンジェリン
ジョージ・ゲーブルス
○ラブ・ラグーン
○スカイ・セイリング
今田勝
今田さんの音楽は聞き込んではいないように思うんだけど、
こうして聞くと、なんとなくメロディーが分かります。
香津美さんとのトークで興味を持った話を少し拾ってみます。
渡辺:僕が十何年前にね、初めてグループやらせていただいた時から、
もっと前でいうクロスオーバー、今だったらフュージョン、
全然4ビートとかそういうのに拘らないで、むしろ8ビートとか
16ビートのオリジナルの曲の方が多かったんじゃないですか?
今田:そうですね、多いですね。なにしろさ、昔、僕なんか始めた頃、
ジャズ喫茶とかジャズ・クラブなかったじゃない。
だから、どういうところで仕事するっつうかと言えば、
キャバレーとかさ、あのー、クラブだよね。
そういうところでやるときには、ジャズやるっつうたら
お客さん入る前にやるわけでしょ。
渡辺:なるほど。
今田:お客さんはジャズやるっつうたらもう皆聞かないから。
渡辺:帰っちゃったりして?
今田:帰っちゃうから。だから、お客さん来るまでやってね、
「お客さん来た来た」つうんでね、パッとやめて、
今度はやっぱり、あのー、流行り歌をやるわけね。
それで、流行り歌でも、ジャズ・メンがよく演奏する曲つうと、
ラテンものが多かったね。
渡辺:あぁ、ラテンのね。
今田:日本人ってラテン好きだから、それでピアニストっていうとね、
クマーナとかサンバ、ルンバ・ラプソディーっていうのは
必ずできなくちゃいけなかったわけ。難しいんだけどね。
だから、そういうことで僕はね、もうそういうラテン系とか、
そういうものは好きだったし。だから、抵抗ないわけ、今でもね。
フュージョン出しても、今更フュージョンて言わなくても
昔からみんなやってたと思うんだよね、僕なんかの年代の人は。
僕はね、ただ、個人のあれとしては、一番びっくりしたのはね、
今までやってきてびっくりしたのはビートルズなんだよね。
渡辺:ビートルズ。
今田:というのはね、ビートルズは和音の進行が、
突如、行っちゃいけないとこにポンと行くとかね。
渡辺:あぁ、恐怖の大転調ですね。
今田:小節が半端だとかね。あれでずいぶん悩んだね。
渡辺:悩みました?
今田:それで聞いてて良いわけじゃない。
渡辺:えぇ。
今田:この世の中で凄いのが出てきたなぁ、って僕は思ったね。
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