[ライブ・イン'84]<山下洋輔トリオ解散コンサート>民放FM,1984年1月22日
引退するわけじゃないんだけど。
○ピーターガン
○ピカソ
○バトル・ロイヤル
山下洋輔トリオ+1:山下洋輔 p、武田和命 ts、小山彰太 ds;
林栄一as
PANJAオールスターズ:渡辺香津美 g、藤本POM(g)、川端民生 b
藤原幹典 ts、井上敬三 a.sax、橋本一子 key
村上秀一 ds
'83.12.31.東京、渋谷パンテオンにて
何組かのアーティストが出演する年越しライブだったのでしょうか?
コンサートが始まったのが夜の10時で、山下洋輔トリオが登場したのが午前3時と言ってます。この日の東京は雪がちらついてビルの方々にはその雪が凍って残っていたとか。客層は20代の若者が多かったようです。
解散にあたっての山下さんの話です。
山下洋輔です。僕の名前のトリオという名を付けてやってきたグループが14年間続いたわけですね。その間にドラマー2人、サキソフォン4人。で、ちょっと入ったベースが1人、計6人(?計算間違いかベースを入れていないか)ですから、決してとっかえひっかえの浮気バンドじゃなかったと思うんですけどね。
あのー、(聞きとれず)やってくるとね、それなりにもうある水準までは持って行けちゃうんですね。で、巨人軍みたいなもんでね、人は変われどチーム名で繋がっていくとこあるでしょ?
でも、僕はどうもそういうのがこの辺で断ち切ったほうが良いと感じたのでそうしたんです。
新しいグループになる度(たんび)に、まずそのグループをピークまで持っていこうというのが僕の望みでしてね、必ずそれができたと思いますね。だから、そのときどきのグループで一番良いコンディションで全部レコードが残ってますから、これは僕の名前を冠した14年の活動の証拠として誇りに思います。
ただ、あのー、ソロを始めたのが1974年で、もう10年前からですね。そういうあのー、自分一人でベースでやるとかね、別のプレイヤーたちとやって別の可能性を広げていこうとかね、そういう音楽家としてのなんか、なんて言うのかな、貪欲みたいなところがグループ以外でも僕にあるんですよ。
で、それがまた近来すごい広がってきたのでね、あっちでやんのも自分だし、こっちでやんのも自分だし。こっちをやってるんだから別なことを気軽にやって良いんだっていうようなものじゃなくて、どっちもこれ本当なわけでね。
アイデンティティみたいなのをここにおいとくのがどうも重苦っしくなったんで、すっぱり剃っちゃってね。本当は何やりたいんだっていうふうにやっていくとね、また後10年くらいは新たなそのー、挑戦的な気分でやれると思うんですね。
あのー、グループ持ってるってのは本当に楽しいんですよ。どこ行ってもグループでやる以上は気が合うし。誰が来たってみんなで立ち向かえば絶対今まで勝ってきましたしね。必ず花開くんですね。ですけどね、結局は一人になんなきゃいけないというふうな考えもじわじわと生じてきたんですね。
伝え聞いて意外な人が会場に来ていてくれたりね、それとなくお別れを言ってくれたり。引退するわけじゃないんだけど。
そのグループの名を愛してくれた人がたくさんいるんですね。60年代の後半から、60年代の最後の年から、ですからね。そういう人たちとは特別の、なんて言うかなぁ、心の交流があって。そりゃぁ、ちょっと辛いですね。えぇ。
最近、「題名のない音楽会」で、ニュー・トリオの演奏を見ましたが、
タモリさんも出演していましたね。
今日(7月10日)は「笑っていいとも」に出演するようで、
また同じような話が聞けるのでしょうか?
見てみたいと思います。
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